スピニングロッドの中では一番のお気に入り。6ピースなのでどこにでも持っていけます。
ノースランド サザン オルマイティです。長さは6フィート。メーカーのグリーンスタジオはフライロッドをメインに展開していて、ルアーロッドは少ないです。
フライロッドメーカーらしく?調子はスローテーパーで胴に乗ったウルトラライトアクションです。
5番(5継と6継の間)の印籠継ぎ(スピゴットフェルール)がキツキツでくっつきそう。フェルールがだいぶ痩せて磨耗してしまっているのでしょう。
4番のフェルールもキツキツです。フェルールがキツキツというのはおかしいですね。
継ぎ目がキツキツなのであって、フェルールは緩んでると表現するのが正しいのかもしれません。
3番目はまだ大丈夫。
2番目もやばい。というか、このジョイントがゆるくて、魚釣りしてるときに時々抜けてしまうのです。
そのうちスカスカになって飛んでいってしまいそうで、修理が必要です。
このロッド、ティップのジョイントはなぜか並継なのです。これも結構減ってます。
いろいろ調べていると、減ったフェルールに瞬間接着剤で肉盛りして太くして、ペーパーがけしながら込みを合わせるとスピゴットフェルールの「コミ」が改善できるようです。
これを使います。アロンアルファ耐衝撃。
接着剤を塗る前に、付着物を取り除きます。何を使おうか迷いましが、とりあえずパーツクリーナー。
シリコンオフもしときました。
思ったより汚れが取れました。外部由来の付着物で汚れているかと思っていましたが、実際はロッド自体の削れたカーボン粉末のように見えます。フェルールワックスも塗ってはいるのですが、だんだん削れてゆるんでくるのでしょう。
見た目にもかなり綺麗になり、「脱脂した」「地が出た」感じになりました。
フェルールにアロンアルファを塗った後、余分をこすり取るのと、周辺の汚れ防止にポリエチの袋を敷きます。
今回は食品用ポリ袋を開いて使いました。色付きのレジ袋とかでもアロンの付着がわかりやすくて良いかもしれません。
アロンアルファは
塗りました。初めてなので、加減がわかりません。こういうのはいっぺんに付け過ぎるのがよろしくないとは思うのですが…。
他のフェルールにも塗ります。
十分乾かした後、試しに継いでみました。正直びっくりしました。
ちょっと込みが浅いものの、贅沢言わなければこのままで十分使えるレベルに感じます。
比べてみると一目瞭然。
しかし、抜いてみると「アタリ」にムラがあることがわかります。写真では見づらいですが、アロンアルファの艶具合で、メスジョイント内側に擦れたところと擦れていないところがわかります。
耐水ペーパーで
コルクグリップが咥えられる回転する道具を持っていないので、手で回しながら整えます。水を付けて、カーボン粉末が飛ばないように気を付けます。
コミを何度も確認しながら削りました。写真で拡大して見ると、かなりムラが残ってますね。本来はもっと滑らかにするべきところなのでしょうが、実用上問題なさそうなところでやめておきます。他にもジョイントがあるので、時間なくなりますし。
グリップ以外のところは、電動ドリルで回しながら削ります。
電動ドリルで咥えるところはマスキングテープで保護し、ドリルチャックには極々軽く取り付けます。
左手でロッドブランクの暴れを抑えつつ、右手でペーパーとフェルールを一緒に持ち、フェルールを軽く押し付ける感じです(写真は右手で撮影しているため、左手だけでフェルールとペーパーを抑えています)。
この電動ドリルFDD-1010は、手を離しても回転が継続するスイッチが付いているので、こういう用途には便利です。
削った(というより研いだ)写真です。接着剤をつけたときのテカリがなくなっているのがわかります。
上が作業前、下が作業後です。かなり改善しています。ガタつきも感じられません。
どんどん進めます。違うジョイントです。これはなんぼなんでもアロン塗り過ぎでしょう。隙間広過ぎ。
先ほどと同じように、マスキングテープで保護し、電動ドライバに取り付けて削ります。
ジョイントに差し込む→削る→差し込む→削る………を繰り返すのですが、アタリを取るためにポスカを使いました。
フェルールに塗って、ジョイントに差し込むと、当たっている部分と当たっていない部分がわかります。
継いだ時の隙間は1センチを目安にしました。
補修が終わったらフェルールワックスを塗っておきます。
やってみるまではうまくいくか不安でしたが、どのジョイントも思った以上の仕上がりでした。本格的なロッドビルダーの方から見たら粗雑なものだと思います。しかしながら個人的な手作業での補修にしては十分で、実用上差し支えないレベルだと感じられます。
スピゴットフェルールが不安なロッドが蘇りました。
これでまた魚釣りに行けますよ!!
[20220606]